Power Platformをはじめとしたノーコード・ローコードツールの広がりにより、現場主導でアプリや業務ツールを内製する動きが加速しています。
一見、理想的な流れに見えるこの変化ですが、実際に内製化を進める企業のマネージャーやリーダーの方からは、こんな声をよく耳にします。

「せっかく作り始めたのに完成しない」
「途中で止まってしまった」

それはなぜか――。
実は多くの現場で、“ある共通の原因”が隠れているのです。


部下に「機能を求めすぎて」いませんか?

たとえば、こんなやり取りに心当たりはないでしょうか?

  • 「やっぱり○○も追加してくれる?」
  • 「これ、△△にも対応できないの?」

上司としては、現場の声をもとに改善を依頼しているだけかもしれません。
しかし、それを受けた担当者は「上司の期待に応えなければ」と、なんとか実装しようと無理をします。

でも実際には、調べても解決方法がわからない。質問する相手もいない。
時間だけが過ぎて、気がつけば手が止まり、プロジェクトが頓挫してしまう――。

これは、意欲がないからではありません。
「できないことを放置した結果」なのです。


上司が決めるべきは、「やらないこと」

このような事態を防ぐために、ぜひマネージャーの皆さんに意識していただきたいのが、

「これは今回はやらない」と決めてあげること

内製化の現場では、「やることを増やす」よりも「やらないことを明確にする」方が、はるかに重要です。

「あれもこれもやらなきゃ…」という状況は、担当者にとって大きなストレスです。
一方で、「ここまでで大丈夫」と言われると、安心して開発に集中できます。


判断に迷ったら、「期限」で区切る

とはいえ、すべての判断を即座に下すのは難しいもの。
そんなときに役立つのが、「期間で区切る」方法です。

たとえば「まずは2週間。進まなければ一旦やめてOK」と決めておく。

これだけで、担当者は無理に粘らずに報告ができ、
やるべきか迷うタスクは「いずれやること」として棚卸しできます。


おわりに

内製化は、技術だけでなく“進め方”の設計が重要です。
その鍵を握っているのは、現場を支える上司・マネージャーの皆さん。

今回は、よくあるつまずきの背景と、上司としてできるサポートの方法をお伝えしました。